富ヶ谷の国会議員宅に5本立ち胡蝶蘭をお届け。

にしむらフローリスト

木曜日、夕方、栃木の花キューピット加盟店さんから問い合わせをいただきました。
「明日、〇〇さんの誕生日なのですが、午前中に5本立ちの胡蝶蘭を届けられますか?」
「午前中は配達が数ヶ所あるのでお昼近くなりますが、それでよろしければ、明日市場で新しいものを仕入れてきます。」
「そんな時間になりますか・・・。それでも良いか、ご注文主様に確認をします。」
しばらくして、「先方様に了解していただきました。なるべく早くお届けしてください。」

すぐに大田花きに電話を入れます。あいにく、もう、鉢物担当者は皆、帰宅してしまい、翌日の先取りを受け付ける切花担当者しか、いません。蘭鉢のことが分かる社員は誰もいません。とにかく、その時点で在庫している一番上級の5本立ち胡蝶蘭を抑えてもらいました。

翌日、早々に仕入れを済ませ、胡蝶蘭をピックアップし、店に帰ってきます。配達伝票、名札。リボンは前日に準備万端整っています。
素早く、ラッピングをし、お届け先に向かいます。この界隈は近くに麻生元首相の自宅もあり、警備は物々しいです。
自宅玄関前には常駐の警察官が立っていて、無線で建物の中のSPを呼んでくれました。
「今、Aさんはご不在です。ご家族もどなたもいらっしゃいません。不在票をポストに入れてひとまずお引取り下さい。そして連絡をお待ちください。」
SPは預かってくれません。ひっきりなしに花屋が配達にきますが、皆、帰されています。
誕生日でたくさんのプレゼントが届くだろうから、誰か留守の者ぐらいいるだろう・・・・とタカをくくって出てきた私には予想外の展開。

戻ってきて、作業台の半分を鎮座している胡蝶蘭。
果たして、届けられるのか(受け取ってもらえるものか)心配になってきました。
あれだけ、日本国中から花が届いて、みんな受け取っていたら、いくら大きなお屋敷でも置ききれません。
それにセキュリティの問題だってあるでしょう。プレゼントの中に爆発物が隠されていたら・・・?

とりあえずは一部始終を注文店さんに報告をします。後は連絡待ちです。

そして、また翌日午前中。「午前中ならば、私がおりますので届けてください。」と奥様から電話を頂戴しました。
「ハイ、すぐ伺います。」
Aさんのご自宅は花チューピット加盟店の中で直線距離にすると1~2番ぐらいに近い位置に当店はあります。
胡蝶蘭を固定するダンボールの箱ごと持って、玄関に入ります。SPが出てきてセキュリティチェック。
なにやら、反応します。「ええ!どうしたんだろう。何も入っていませんよ。」
「箱から鉢を取り出してください。」
胡蝶蘭には反応せず、箱に反応します。どうやら、箱に使われているホッチキスの針ノお化けのような留め金に反応したようです。
「ハイ、OKです。どうぞ。」エレベーターのボタンを押してくれますがドアの両サイドに花を引っ掛けそうです。
「いや、階段で行きます。」
「2階に上がると玄関の外で奥様が待っていました。とても若く、親しげに見えたので奥様以外のご家族の方なのかと思いました。玄関前にはたくさんの胡蝶蘭が並んでいました。

watanabe201509222

私の運んできた胡蝶蘭は机の上に置かせてもらいました。
お届けができてよかった。家に帰ってテレビをつけると「誕生日のAさんはゴルフをして休日を楽しみました。」とニュースになっていました。


にしむらフローリスト
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